雨と猫と珈琲と読書と

徒然なるままにパソコンに向かいて

美容院にて 継続するからこそみえてくるもの

美容院に髪を切りにいった。

美容師さんは20年以上のキャリアを持つベテランの方だったのだけど、会話のやり取りがいくつか印象深かったので記録しておく。

  • 技術というのはやりたいと思った時にチャレンジしないと身に着け辛いだそう。
  • 20代には20代のセンス、30代には30代のセンス…といったその年代にしかないセンスがあるから一概にはベとテランが良いとも限らない。
  • 20年やって、やっと本当に仕事を楽しめてきた。
  • 15年目に人間関係を調節出来るようになってきた。
  • 10年目はやはり節目。最初の3年目は自分のセンスをお客さんが分かってくれないと他者のせいにしていたが、5年目辺りから自分の技術のなさを痛感するようになった.。
前に別の美容院だった時は男性経営者の美容師の方だったけど、自分はメイクの知識はあって後輩に教えることは出来るけど、自分がお客さんにすることはできない、料理も作れない、といっていた。美容師さんというと器用なイメージがあるので、両方とも得意そうなイメージなのだけど、髪を切ることと何かが違うのだろう。
 
手に職があって長年一筋で従事されている方の話は面白い。
私の好きな作家の方も言っていたけれど、1つの仕事しかしたことのない人と、豊富な転職経験がある人だと、世間的には後者の方の方が人生経験が豊富だとみなされやすいだろう。沢山の世界を知っていることは素敵なことだ。
その一方で、同じ仕事を何十年もしたことでしか見えない景色というものも確かにあって、その景色を知っているという視点に立てば、前者の方の方が人生経験が豊富、ともいえるのかも知れない。
 
美容師以外の何人かの人に話を聞いても、自分の経験からも、3年、5年、10年は節目なのだと思う。美容師さんは5年目で自分の技術不足に目が行くようになったと仰っていたけれど、どの仕事であれ、自分の至らなさ未熟さに向き合うには、まず仕事に慣れて落ち着き仕事を全体的に俯瞰出来るようになってからだ。